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最近、友人と会うのが「なんとなく億劫」になっていないだろうか。物価は上がり、仕事は増え、なのに「もっと頑張れるはず」と自分を責め続けている——そんな状態、あなただけじゃない。実は今、世界中でバーンアウト(燃え尽き症候群)の件数が過去最高水準に達しており、Psychology Todayはこれを「バーンアウトの当たり年」と呼んでいる。でも本当の問題は、疲弊そのものじゃなく、「その疲弊を個人の失敗だと思い込まされている」ことかもしれない。
「ガスフォギング」——社会があなたの苦しさを”あなたのせい”にする仕組み
「ガスライティング」という言葉は知っているだろうか。相手の認識を意図的に歪め、「おかしいのはあなただ」と思い込ませる心理的操作のこと。今、世界のウェルネス研究者たちの間で注目されているのが、その社会版とも言える「ガスフォギング(gas-fogging)」という概念だ。
ガスフォギングとは、社会的・経済的なプレッシャーが積み重なることで、本来なら「構造的な問題」であるはずのストレスを、個人の性格や努力不足のせいだと錯覚させる現象のこと。「みんな同じ条件なのに、うまくやれない自分が弱い」「もっとストレス管理できれば解決するはず」——こういう思考パターン、心当たりはないだろうか。正直に言うと、私自身も取材中に「あ、これ自分もやってた」と気づいてゾッとした。
アメリカでは2024〜2025年にかけて、物価上昇・政治的分断・AIによる雇用不安が重なり、バーンアウトを訴える人が急増。でも多くの人が「自分の管理能力の問題」として抱え込んでしまっているという。日本ではまだこの「ガスフォギング」という言葉自体がほぼ知られていないが、その現象は間違いなく、もうここにある。
「スモールトークすら疲れる」時代に、私たちは何を取り戻すべきか
元記事が指摘していて、私が特に刺さったのがこの表現——「even small talk feels exhausting(ちょっとした雑談すら消耗する)」。コロナ禍を経て人と話す機会が戻ってきたはずなのに、むしろ疲れやすくなったと感じている人が世界的に増えている。
これはコミュ力の低下じゃない。社会的エネルギーの貯蓄そのものが、構造的に奪われ続けているサインだ。米国の組織心理学者アダム・グラント氏も近年、「個人のレジリエンスを高めるより、疲弊させる環境を変える方が先だ」と繰り返し発言している。
日本に置き換えると、どうだろう。「メンタルが弱い」「根性が足りない」という言葉で片付けられてきた疲弊の多くが、実は個人ではなく職場・社会の設計の問題である可能性がある。これが日本に本格的に広がったら——いや、もう広がり始めているのだと思う。言語化されていないだけで。
💬 Naoより:「ガスフォギング」って言葉、初めて聞いたとき「これ、日本語にする必要あるな」と直感した。自己啓発本が「あなたが変われば全部解決!」と言い続けてきた裏で、社会の構造がじわじわと私たちのエネルギーを削っていたとしたら? あなたは今、本当に「自分のせい」で疲れていると思う? そこを一度、疑ってみてほしい。

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