「スペイン料理ってパエリアとタパスでしょ?」——正直、私も少し前までそう思っていた。でも違った。全然違った。バルセロナの食シーンは今、世界の美食家たちが目を向ける震源地になっている。地元のフードガイドが本気で選んだ38軒のリストを読んで、思わず声が出た。
世界1位のレストランが、この街にある
「The World’s 50 Best Restaurants」という世界的な格付けリストをご存知だろうか。ミシュランとは別の基準で、世界中のシェフや食の専門家が投票して決める、いわば食の世界のアカデミー賞だ。その2024年版でNo.1に輝いたのが、バルセロナの「Disfrutar(ディスフルタ)」というレストランなのだ。
「Disfrutar」はスペイン語で「楽しむ」という意味。エル・ブリ出身の3人のシェフが作り上げたこの店は、料理そのものが一種のパフォーマンスで、テイスティングメニューは20皿を超える。正直言うと、こういう「芸術系レストラン」って構えてしまうことがあるんだけど、コンセプトが「楽しむこと」というのが全てを変えている気がする。食べることへの純粋な喜びを、高いレベルで再構築しようとしている店——そういうレストランが世界一になった、という事実に私はじんわりと興奮している。
日本でも「世界一のレストラン」は話題になるけれど、予約が取れない・値段が高すぎると一歩引いてしまうことが多い。でも面白いのは、このリストが「高級店だけじゃない」ところにある。
「安くて、うまい」が普通に成立している街
バルセロナのすごいところは、世界No.1レストランと、数ユーロで食べられるバルが同じ街に共存していることだ。地元ガイドが選んだ38軒の中には、海沿いの市場で立ち食いするシーフードバーもあれば、ナチュラルワインに力を入れる小さなビストロもある。「たくさんお金を使わなくても、信じられないくらいおいしく食べられる」——これがバルセロナという街の食の哲学らしい。
これ、日本の食文化と似ているようで、実は結構違う。東京だと「安くてうまい」と「本気のガストロノミー」の間には、見えない壁があるような気がしない?バルセロナは、その壁がずっと低い。タパス文化が根付いているから、「ちょっとずつ、いろんなものを試す」という食べ方が日常になっていて、それが結果的に食全体のレベルを押し上げているんだと思う。
日本にこの感覚が来たら——いや、もしかしたらもう少しずつ来ているのかもしれない。最近の東京のナチュラルワインバーや、カジュアルな発酵料理の店を見ていると、バルセロナのあの空気に近いものを感じることがある。
💬 Naoより:今回この記事を読んで一番刺さったのは、「世界一の店がある街で、地元の人は普通にバルでビール飲んでる」というギャップだった。「すごいもの」と「日常のもの」が地続きになっている食文化って、豊かだなあと思う。あなたはどっち派?旅先では「話題の名店」を攻める?それとも「地元民が通う店」を探す?私はどっちも譲れなくて、いつも時間が足りなくなるタイプです。

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