「本場の味」って、実は”誰が作るか”よりも”誰に教わったか”で決まるんじゃないか、とふと思うことがある。あなたはどう思う? 今日紹介するのは、その問いにそのまま答えてくれるような、ちょっと胸熱な話です。
師匠が弟子の店に通う、という最高の褒め言葉
アメリカで最も有名なスペイン人シェフといえば、ホセ・アンドレス。ミシュランの星も持ち、災害支援の炊き出し活動でも知られる、まさに”食の世界のスーパースター”だ。そのホセが、ワシントンD.C.にある「Casa Teresa」というスペイン料理レストランに足繁く通っているという。
面白いのはここから。Casa Teresaのオーナーシェフ、ルベン・ガルシアは、ホセ・アンドレスの元弟子なのだ。師匠が弟子の店で飯を食う——これって、料理の世界では最大級の賛辞だと私は思う。「教えてきたけど、もう敵わないな」っていう無言のメッセージみたいで、なんかグッとくる。
メニューの中心はカタルーニャ料理。スペインの中でも独自の文化・言語を持つカタルーニャ地方の料理は、シンプルな素材の組み合わせに驚くほどの深みがある。日本ではまだ「スペイン料理=パエリアとタパス」というイメージが強いけれど、カタルーニャ料理はそれとはまた別の世界線にある。
D.C.フードシーンに静かに根を張る”本物”の存在感
ホセ・アンドレスは食事を待ちながら、D.C.の食文化を作り上げてきたレジェンドシェフたちの名前を次々と挙げたという。それだけD.C.は、ニューヨークやロサンゼルスほど派手には語られないけれど、実は骨太なシェフが多い街なんだ。
正直言うと、私がこのエピソードで一番刺さったのは「静かな継承」という部分だ。華やかなSNSや予約困難なオムカセブームとは対極にある、師から弟子へと手渡される料理の哲学。それがワシントンD.C.の一角で、ひっそりと、でも確かに生きている。
これが日本に来たら……絶対に話題になると思う。カタルーニャ料理専門店って、東京にほとんどない。バルセロナで食べたパン・コン・トマテ(トーストにトマトを擦り込んだシンプルな一品)の感動を、日本で再現してくれる場所を、私はずっと探している。
💬 Naoより:師匠が弟子の店に通う、って考えてみたらすごく勇気のある行動だと思う。自分が教えたものが、もう自分を超えているかもしれない場所に、それでも喜んで行ける人ってなかなかいない。ホセ・アンドレスのそういうところが、私はすごく好き。あなたの周りにも、そういう「喜んで追い越される人」っていますか?
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